間もなく、熱い真夏を迎える。そして8月15日「終戦記念日」を迎える。
この時、決まって思い出す「歌」がある。曲名は「一本の鉛筆」という。
素晴らしい天才歌手「美空ひばり」さんが、昭和49年8月9日の「第一回広島平和音楽祭」で歌われた歌である。
それから14年経った昭和63年、「第15回広島平和音楽祭」にも、出演され歌われた。
ステージからひばりさんは「幼かった私にもあの戦争の恐ろしさを忘れることができません」と観客に語りかけたと言われている。
早速ですが、紹介しよう。

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一本の鉛筆/美空ひばり
(作詞:松山善三 作曲:佐藤勝)

あなたに 聞いてもらいたい
あなたに 読んでもらいたい
あなたに 歌ってもらいたい
あなたに 信じてもらいたい

 一本の鉛筆があれば
私は あなたへの愛を書く
 一本の鉛筆があれば
戦争はいやだと 私は書く

あなたに 愛をおくりたい
あなたに 夢をおくりたい
あなたに 春をおくりたい
あなたに 世界をおくりたい

 一枚のザラ紙があれば
私は子どもが欲しいと書く
 一枚のザラ紙があれば
あなたを返して 私は書く
 一本の鉛筆があれば
8月6日の朝と書く
 一本の鉛筆があれば
人間のいのちと 私は書く

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第一回音楽祭のリハーサルの時、ひばりさんには冷房付きの控室が用意されており、誘導すると、ひばりさんは「広島のひとたちはもっと熱かったはずよね」とつぶやき、ずっと猛暑のステージのかたわらにいたという。
「一本の鉛筆」という曲も素晴らしいけれど、歌われた歌手「美空ひばり」さんの素晴らしさは言うまでもない。
思い起こそう!あの日のことを!そして大きな声で「戦争はいやだ」と叫ぼう!


アソシア志友館 理事長 柴田 秋雄

(2014.8.1発行 アソシア志友館しんぶん「絆」第29号より )