「古刹に響く雅楽の調べ」が10月21日(月)19時30分〜20時 30分に尾張旭市の「洞光院」を会場に開催されました。
講師は荒山淳先生、高木孝紀先生、高木祐紀先生の3名の先生方です。

「天から差し込む光」を表す笙(しょう)、「天と地の間を縦横無尽に 駆け巡る龍」を表す龍笛(りゅうてき)、「地上にこだまする人々の声」を表す篳篥(ひちりき)の「三管」による演奏でした。


1曲目は雅楽の定番「越天楽」です。
笙(しょう)の神々しい音色がひびき、そこへ篳篥(ひちりき)の力強い主旋律が加わります。テレビやラジオなどで聞いたものから想像 していたものより、はるかに力強く身体に直接に入り込んでくる音に感動しました。
篳篥(ひちりき)は20cmほどの小さな楽器なので すが、どこからあんな力強い音が出るのかと驚きです。奏者の力なのでしょう。演奏中の荒山先生の頰がまん丸に膨らんでいるのが印象的 でした。


2曲目はバイロでした。
曲の間で雅楽についての次のようなお話がありました。1500年の歴史があり、楽器は全て手作りである。今はすす竹を探すのがたいへ ん。笙は節をそろえるのがたいへんで300本ぐらいの竹でやっと作れる。値段はクラウンより高い。
篳篥の奏法に塩梅(えんばい)というのがあり、それが「あんばい」ということばになった。笙のなかで「や」と「も」という音のでない竹があり、そこから 「やぼ」という言葉ができた。

3曲目は「ふるさと」4曲目は「イエスタデイ」でした。三管による西洋音楽もとても味わいがありすてきでした。
次は舞楽(陸王の舞)でした。これは仏様への供えの舞だということです。豪華な衣装に重厚な舞でとても感動しました。


 

感想を紹介します。
・雅楽は中学校の音楽の時間に楽器の名前を覚えたくらいで、名称や役割など改めて拝聴できました。1500年の時の流れをこの洞光院 の場で聴けるのは幸せです。生命のつながりを感じました。伝統は先代からの預かりと同時に未来からも預かっている普遍性も音色より感 じられました。

・奏者の方から楽器の説明をうかがい、その音色を聴かせていただきすばらしい体験をすることができました。指揮者が必要なクラシック に対し、息を合わせてゆき、大自然の運行の如く調和してゆく雅楽の奥深さに感動です。

・ゆったりとした流れ、調子やテンポでもなく、和音とも、ヨーロッパの音楽のような整ったものではなく、日本の庭のような自然の木や 石や池がなんとなくあって調和して見えて、美しい四季を感じたり、舞踊もはじめてで引き込まれました。