今年1月23日「第10回“柴田塾”」で紹介した「詩集」をこの「コラム」で取り上げてみます。詩人であり、随筆家である加島祥造さんは、1923年1月12日生まれ、昨年12月25日92歳でお亡くなりになられた。1990年より、心の故郷として駒ヶ根市の伊那谷で住まれた。素敵な「詩集」“求めない”は、多くの人たちに読まれた。特に近年訴える感が強かったように私は思う。
私が、この詩集を手にいれたのは、2007年年11月だった。小学館から発売されているこの本の、「おび」に書かれている言葉が、妙に、この胸に刺さった。
― ― ―すると、何かが変わる。― ― ―
是非、多くの人たちに読んでほしいと思う。その中の一部を紹介してみたい。
― ― ―じつはそれだけのことなんです。ぼくが「求めない」というのは求めないで済むことは求めないってことなんだ。すると体の中にある命が動きだす。それは喜びにつながっている。だけどね、意外にむずかしいんだ、だってわたしたちは体の願いを頭で無視するからね。程よいところで止める—それがポイントだ。でも、それができなければ、そのときは求めないと言ってみるだけでいい。
すると、それだけでもいい気分になると分かるよ。― ― ―
アソシア志友館 理事長 柴田 秋雄
(2016.2.1発行 アソシア志友館しんぶん「絆」第47号より )