地元の新聞社が、朝刊の一面で連載している「平和の俳句」が続けられて半年が経つ。
これまでによせられた俳句は、なんと3万通という。
俳句を通じて、それぞれの「平和」が語られている。
その中から、心に残った「俳句」を、歌人 俵万智さんが選んで見える。
その俳句を先ず紹介してみよう。

”『あの日から』 『あの日』をぼくらは 知りたくない”

尾張旭市の「佐伯 遥菜」さん(11才)が詠まれた「俳句」である。
「あの日」とは、終戦日なら8月15日、沖縄慰霊の日なら6月23日、
あるいは、東日本大震災の日なら3月11日、と言ったように過去を象徴する日でしょう。

11歳の今の小学生に「あの日」をどのように感じて詠んだのだろうか。
あの日を思わせる、嫌な時代の雰囲気が今の時代にあるのだろうか。
こんな「句」を子供に詠ませてはいけないと思う。

僕たちの時代の人間が、考えなくてはいけないことだと思う。
「昨日」も平和だった。
「今日」も平和だった。
しかし「明日」も平和であることはわからない。
世代を超えて、祈りと願いの日々をつないでいくことが大切である。
何十年か先に「努力」して来て良かったと言える日を迎えることが出来たならば本当の「幸福」だと思う。

 

アソシア志友館 理事長 柴田 秋雄

(2015.7.1発行 アソシア志友館しんぶん「絆」第40号より )