平成27年度第2回の「アソシア志友館おもしろ学校」が6月17日(水)19時 00分~20時30分に「ウインクあいち」を会場に開催されました。
第2回の講師は岩倉市立岩倉中学校の山田恵士先生。道徳の授業で、テーマは「本当のやさしさ」でした。
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道をたずねるというロールプレイから始まりました。
「ミッドランドスクエアはどっちですか?」という問いを3パターンの人になりきって山田先生がたずねました。それを受けて相手は自分の考えで行動しました。
1人目は50代の男性。相手の人はエレベーターまでの道を教えて、「後は下で聞いてください。すぐ近くですから。」と答えました。

2人目は80代の男性。相手の人は「私もそちらに用事がありますから、いっしょにいきましょう。」と答えました。

3人目は20代の発達障害の男性。相手の人が何を答えても,男性は「ミッドランドスクエアはどっちですか?」を繰り返すのみ。

この3パターンのロールプレイを見て、感じたことを書き、発表しました。
・人によって対応を変えなくてはならない。
・一人ですべてをしようと思わなくて良い。
・ついていってあげるなんてやさしいなと思った。
・発達障害の人の対応は難しい。
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次は,読み物資料を山田先生が範読しながら、授業を進めていきました。
※当日の読み物資料→「本当のやさしさ」はこちら(PDF)

〈ノンちゃん 保育園年長 5歳〉
「友だちから『かわいそうだね。』といわれ、ノンちゃんはその時どんなことを考えたのでしょうか。ノンちゃんの言葉で書いてください。」
「左側の人から書いたことを発表してください。発表したら、意見交換をしてください。」
・おにいちゃんってかわいそうなのかな?
・かわいそうだなんて考えたこともなかったの。
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〈ノンちゃん 小学4年生 9歳〉
「運動会やお寿司屋さんでの出来事で、ノンちゃんの心の中でどんな変化が起こったのでしょうか。意見交換の後、話をつなげてください。

・私も同じだと言われたらどうしよう。
・クラスの子にいじめられる。
・ふつうの家がうらやましい。
・私、恥ずかしい。みんな見てるよ。
・おにいちゃんといっしょはいや。

〈ノンちゃん 中学3年生 15歳〉
「ノンちゃんは、修学旅行でトモくんのお土産を買う時、どんな気持ちでクッションを選んだでしょうか。意見交換の後、3人で共通のものをまとめてください。」
・よろこばせてあげよう。
・仲良くしたいんだけど、どうしていいかわからない。
・病気はお兄ちゃんのせいではないのに。これでゆっくり休んでね。
・ごめんね。お兄ちゃんのこと、大好きなんだよ。
・ジーニーの魔法で病気がなおってほしいな。
・お兄ちゃんも家族だから。ジーニーに似てるし。
・ジーニーのクッションに怒りを吸収してほしい。
・やっぱり家族なんだ。
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「反抗期真っ盛りのノンちゃんにお母さんは、今後どんなかかわりをしていこうと考えているでしょうか。」
・ノンちゃんの気持ちを受け止めて、大事な子どもだということを伝えていく。
・ノンちゃんに申し訳ない。
・トモくんにクッションを買ってきたノンちゃんを見て、このままでいい。
・いつか気づいてくれるよね。

このあと、自閉症の子どもたちを取り上げたFacebookの記事の紹介がありました。
その後、自作資料は、実は私の家族の出来事なのです。と述べられ、家族の写真を見せられました。
特別支援学校に通っている子は、居住地交流をするが、これは知ってもらうことが大切だと考えているからするんだという話がありました。
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そして、発達障害といわれている有名人の紹介がありました。次のような人たちです。
スティーブ・ジョブズ、ビル・ゲイツ、エジソン、アインシュタイン、黒柳徹子、ケネディ、トム・クルーズ、スピルバーグ、ディズニー、マイケル・フェルプス、スーザン・ボイル、山下清
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生徒指導の対象となる出来事の半分は発達障害が元にあると思われるという話があり、キーボードを使えば話のできる東田直樹さんの紹介がありました。
そして、私たちがしたいこととして次のことを言われました。
「特別なことをする必要はない。知ってること、分かってあげることが大事。」
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参加者の感想を載せます。
・私もノンちゃんと同じ環境で育ちました。なので、気持ちは痛いほど分かります。涙が出ました。
会社でもADHD、アスペルガーはたくさんいますが、企業では理解されにくいです。
教育現場もですが、働く環境の中でも理解されるようにしていくには、どうしたらよいのかと日々考えていました。そして、今日出席したことでこの内容だったことに驚いています。
明日からも、自分にできること、寄り添うことを大切にしていきたいと思いました。すばらしい時間をありがとうございました。

・とてもよかった。物語と思って聞いていました。
「実は私の家族です」そう聞いた時、急に身近に感じ、泣けてきました。違いを認め合い、一緒に何かに取り組んでいく。
周りがやさしい気持ちになれるための存在だと感じました。

・物事の受け取り方、伝え方の難しさを感じました。手を挙げて発表できなかったのですが、ノンちゃんの心の変化、私は恥ずかしい+さみしいと感じました。
修学旅行のクッションを選んだときの気持ちも、お兄ちゃんいつもゴメンねの気持ち+ご両親に対して「私もお兄ちゃんのことを想っていることを分かってほしい」という気持ちがあるのかな?と思いました。
想ったことを伝えるときに「ノンちゃんの言葉で」と言われたとき、どう伝えればよいのか分からず、手を挙げられませんでした。伝えることの難しさ、そして理解。
私のいとこも自閉症の子がいるので、これからの接し方、改めて考えました。