チベットの声楽家バイマーヤンジンさんと再会した。待ちわびたコンサート、チベット民謡と日本の唱歌を唄う歌姫の歌声は大草原に響き渡るような迫力あるもので、僕の心を豊かにしてくれた。まさに日本人の心をチベット人のヤンジンさんに教えて頂いた。
最初に出会ったのはホテル時代。彼女は日本人のご主人と結婚して、齢80になるお姑さんに仕え、一児の母でもある。標高4000メートルのチベットでの遊牧民の暮らしは日本人の私たちには筆舌しがたいものがあると僕は思う。11人兄弟で唯一教育を受けさせて貰った彼女は兄姉のおかげだと感謝していると話してくれた。また日本に暮らし、日本の国は素晴らしいと何度も語ってくれた。こんなに日本の心を表現出来るヤンジンさんに大いに学んだ気がする。
国境を越え、子供たちを支援する姿も相まって、感動が幾重にも重なり深く心に沁み入るひとときでした。ありがとう、ヤンジンさん!

 アソシア志友館 理事長 柴田 秋雄 (2016.12.1発行 アソシア志友館しんぶん「絆」第57号より )