平成25年度第6回の志友 会おもしろ学校が10月18日(金)19時00分〜20時30分に「岩倉市生涯学習センター」を会場に開催されました。
第6回の講師は岩倉市立五条川小学校長の戸田清徳先生。テーマは「え!絵エッ!?」でした。

はじめに写真のように帽子 を深くかぶって登場した戸田先生の第一声は「ピエールです」でした。
テレビでおなじみの「ヒロシです」調で、現代美術の難解さ、不思議さを笑いを交えながら語られました。
次に〒のマークを映し出し、「縦、横どっちが太いか?」と問われ、人の眼は案外いい加減であると本日のテーマへ引き込んでいきま した。

受付でもらった「OK!が出るまで開けちゃだめですよ」というシールで封がされた4つの袋が机の上にあります。

はじめはオレンジの袋です。
袋の中にはB5サイズの紙3枚と厚紙の定規がはいっていました。
1枚目は何も書いてない紙です。点を2つ書き、自分の盲点を見つけました。
2枚目は平行線が4本書かれた紙です。斜線を平行にハの字に書き入れました。すると、平行線が平行に見えなくなってしまいまし た。
3枚目は2本の平行線と中央に点が打ってある紙です。中央の点から放射状に線を引いていくと平行線がどんどん膨らんでいきまし た。
こうして錯視(イルージョン)を実感しました。

2つめは紫の袋です。
開けると不思議な模様の描かれた紙が4枚入っていました。
その紙を見ていると、ないものが見えてきたり、あるものが消えたり、渦巻きに見えるのに実は円だったりと錯視の世界にどんどん引 き込まれていきました。
紙の次は映像です。スクリーンに次々と映し出されるダブルイメージのだまし絵の数々。そのたびに歓声や嘆 声が会場にあふれました。


3つめはみどりの袋です。
模様のついた紙が入っています。その模様を見ていると、何かが浮かび上がってきます。
1枚目は男女のバレリーナの姿、2枚目は犬(ダルメシアン)、3枚目は顔とサックスを吹く人、4枚目は牛(ホルスタイン)。
見え てくると思わず歓声が上がりました。そして、スクリーンにはエッシャー、アルチンボルト、歌川国芳、ダリ、ルネ・マグリット、オ カンポなどのだまし絵、隠し絵の数々が映し出されました。

最後は青い袋です。
雲の写真が数枚とトレーシングペーパーが入っています。
雲の写真を見て、何に見えるか。各自の見えたものをトレーシングペーパーを上から当てて、描き出しました。動物が見えた人と人が 見えた人がいました。
おわりに、戸田先生は「絵は正確に描こうと思わなくていい。頭の中で描けばいい。理解しようと思わないで、おもしろいなと思えば いい。」とまとめられました。



感想を紹介します。

・年をとると感性が低下する。何に見えるか、難しく考えずに素直に受け入れたい。子どものころは素直に受け入れる感性は十分で あったが、仕事をしているとそのようなことを考える余裕もなくなる。仕事中、空を見る機会が多いので、雲を見て想像力を向上させ たい。
・錯覚もあるが…
自分の感性を信じ
これからは…ワクを作らずものをすなおにみつめてみよう…!
そうすると、色々なものがみえてくる
自然、人、もっと愛していけそうです!
・アート、美術は自由だ。思いのまま、イメージしたままを視覚的に楽しめるようなメッセージとして描くことができる、そういうも のだというのを改めて実感しました。
・ピエールから始まり、8:30ピッタシの終了時には戸田清徳先生でシメられるスゴ腕講師に感動です! おしゃべりや間合いも楽 しくてずーっと笑わせていただきました。むずかしいものは「理解しようとしなくて良い」という言葉で、今後見(観)る芸術への ハードルが落とせそうです。