平成26年度第8回のアソシア志友館「おもしろ学校」が12月19日(金)19時 00分~20時30分に「ウインクあいち」を会場に開催されました。

第8回の講師は尾張教育事務所の土井謙次先生。テーマは「『アンネの日記』はなぜ破られた?」でした。

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なぜアンネの日記は破られたか?

犯人は捕まったがなぜ公表されなかったのか?

はじめに、以下のようなアンネの日記破損事件の流れを確認しました。

2013年から2014年にかけて東京の図書館にあるアンネの日記が破かれた。3月に都内在住の無職の男が逮捕されるが、6月東京地検は心神喪失の状態にあったとして不起訴になった。

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次にユダヤ人の歴史の話がありました。

紀元前13世紀 モーセの十戒

紀元0年 イエス・キリストの誕生

1597年 シェークスピア『ベニスの商人』

第一次大戦 イギリスの二枚舌外交→パレスチナ問題

第二次大戦 ホロコースト

これを受けて、ユダヤ教とキリスト教とイスラム教は兄弟であるという話がありました。

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そして、なぜユダヤ人に金持ちが多いのか?という話になっていきました。

ユダヤ人は差別され、弾圧されたために移住を繰り返した。その中で、為替技術を発展させ、持ち運べる資産としての宝石や金を収集した。ロスチャイルド家を中心としてアメリカの政界にも大きな影響を与えている。

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次になぜユダヤ人は優秀なのか?という話になりました。

0.2%のユダヤ人がノーベル賞の20%を占めている。アメリカの億万長者の48%はユダヤ人などという話がありました。

ユダヤ人は没収されない財産として知識の共有を大切にし、ユダヤ教の聖典の「タルムード」を暗唱することを目指している。

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こうした背景を学んだ後に、本題のアンネの日記の話題になりました。

まずは、アンネの日記偽書説。アンネの直筆とアンネの日記の原稿の文字を比べました。多くの人は別人の文字だと感じました。

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次にネオナチの話。ロシア、ウクライナのネオナチ、日本のネオナチの存在の話がありました。

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ネオナチは次のようなことを主張しています。

・民族主義・移民排斥

・反ユダヤ主義

・アンネの日記は偽書

・ホロコーストはなかった

以上のことからアンネの日記を破った犯人はネオナチの信奉者なのではないか。

なぜ実名報道されないのか?

ネオナチを取り上げることをしたくなかったのだろうということです。

次に日ユ同祖論を取り上げました。

日ユ同祖論というのは日本人は、迫害されたユダヤ人が大陸をこえて日本に渡ってきたという説で、日本人とユダヤ人の共通点が大変多いという説明がありました。

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最後は、人種差別はやめて、世界平和を目指さなくてはいけない。そのためには知ることが第一歩だという締めくくりでいた。

 

 

感想を紹介します。

・ 今起きている戦争は、本当に悲しく思います。同じ人間なのにどうして対立しあうのか不思議です。相手のことを思って行動すれば、世界の人たちすべてが仲良くやっていけると思います。命を大切にしたいと思います。戦争がなくなる時がくるのだろうか?と日々思いながら、戦争のないすべての人、動物、植物など共存できる世界になるように願います。

 

・ どちらかというと日本の歴史、日本人ということに重心を置きすぎたここ数年であったかもしれないと自ら反省です。もっと視野を拡げ、地球に住む同胞として人類としての視野が大切だと思いました。なぜだか日ユ同祖論をうれしく聞いてしまいました。人は愚かであり同じ失敗を幾度も繰り返します。先人の歩みを素直な心で見つめ、未来に向かって前向きに行動できる生き方ができればよいと思います。次代を担う若者にも今の心情を伝えていきたい。

 

・ アンネの日記が破られたニュースをテレビで見たとき、深く考えずにいたずらの一種のように眺めていました。でも今日のお話を聞いて、犯人の名前を公表しないことにも、破られた理由にも、こんな意味があるんだなと驚きました。とても勉強になり、また自分の世界観が変わるような気がしています。

 

・ 今、自分が生きていく中で当たり前に過ごしていることが当たり前ではなかったな!とまた気づきました。民族、領土、宗教を意識することなど全くなかったから…。ユダヤの人が優れているお金のこともはじめていきさつを知りました。アンネの日記をもう一度読んでみたくなりました。