ホテル時代に、気をつけていた事である。「みんなを見ているのでなく、お前を見ている!」であった。「僕はいつもちゃんとお前を見ている」事が大切だった。自分の存在をちゃんと見ていてくれる!人がいる事が大切だった。ホテル時代200名の従事員がいた。その時代に大切なことは「お前」でなく、名前をちゃんと呼ぶことであった。当たり前のことであった。
あるとき、身体の不自由で無口な彼女が精一杯の挨拶をした。嬉しくて思わず、みんなの前で「ハグ」した。何のためらいも、躊躇もなくである。
僕だけでない!スタッフが身体の不自由な彼女のために専用の椅子を作ってくれた。その心根がうれしくて今だに思い出す。彼の素敵な顔まで浮かぶ。いまでは、「お母さん」になり幸せに暮らしていると思う。
心に残っているスタッフがたくさんいる。きっと幸せに暮らしているに違いないと思う。時々事務所に訪ねてくれるスタッフもいる。そんなときは無性に嬉しい。思わず食事を!となる。きっと、みんな、どこかで幸せに暮らしているに違いない。
いつの日か、みんなと会いたいと思っている。皆の笑顔に会いたいものだ。
アソシア志友館 理事長 柴田 秋雄 (2017.7.1発行 アソシア志友館しんぶん「絆」第64号より )