11月11日(金)に令和4年度の第6回のおもしろ学校を行いました。
講師は、元グアテマラ日本人学校の戸田清德先生です。
総合で、テーマは「マヤの世界 発見と出会い、そしてふれあい」でした。
最初の質問は、「白地図のグアテマラ共和国を塗りつぶしましょう」でした。
参加者からは、「グアテマラコーヒーは知っているけど、場所は分からない」という声があがっていました。

20221111_image01 次の質問は、グアテマラ共和国についての基本情報の確認です。( )に都道府県や数字を入れて発表しました。

⑴ 面積は、日本の約(1/3)で、日本の(北海道)と(四国4県)を合わせた面積よりやや広い。☆108,890㎢
⑵ 人口は、(東京都)と(福岡県)を合わせたくらい。☆17,916,000人
⑶  公用語は、(スペイン)語
⑷ 日本との時差は、(-15時間)

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グアテマラ共和国についての基本情報の確認後、「しばらくお待ちください」と言われて音楽を聴きながら待っていると、戸田先生が民族衣装を着て登場、皆が拍手で迎えました。民族衣装を着た戸田先生より、グアテマラ共和国の気候について、「首都は過ごしやすい気候ですが、高地は非常に寒く、低地は常夏です。」と説明がありました。
 

20221111_image03 テーマ「マヤの世界 発見と出会い、そしてふれあい」にある「発見」について説明がありました。「とにかくカラフル!世界に類を見ないほど鮮やかな文化が継承されている国で、衣装、織物(絨毯、肩掛け、テーブル掛け)、刺繍、凧揚げ、アルフォンブラ(道の絨毯)等々さまざまなところで見つけることができます。」グアテマラ共和国で出会えるセムクチャンペイやアティトラン湖などの自然、88という蝶、幻の鳥ケツアールやレインボーツリーなどの珍しい生き物、安いトロピカルフルーツの紹介がありました。
 
20221111_image04 戸田先生が、よく子どもたちに紹介していた鈴木敏史氏の「手紙」です。この詩にあるように、せっかく来たんだからできるだけいろいろなもの見つけようとしていたら、人が気がつかないようなことも見つけることができたそうです。その中で、耳や目を傾けて見つけた最大の発見は、魅力的なさまざまな民族衣装だったそうです。
 
20221111_image05 グアテマラ共和国の治安状況の説明です。銃がはびこる社会で、二人乗りバイクの強盗が頻発、都市では、商店の鉄格子、塀に取り付けられた有刺鉄線、武装した警備員がいるガソリンスタンド等、自衛手段がさまざまに講じられています。

修学旅行に出かけたときは、警察官の同行で安全を確保したそうです。
 
20221111_image06 グアテマラ共和国3年目、帰国する年になって、このまま帰国したらグアテマラについて何も知らないままになってしまう。好きな言葉「冷暖自知」には、「体験して初めて分かる。」という意味がある。「グアテマラの現実は地方にこそある!」都会ではなく、田舎へ行こうと考えたそうです。
 
20221111_image07 テーマ「マヤの世界 発見と出会い、そしてふれあい」の中の、「マヤ系の人々と如何にして出会い、ふれあったか」について紹介がありました。文部科学省からの指令は3つありました。
1 日本の学校と同じ教育を行うこと。
2 日本の伝統文化を重んじること。
3 日本の文化を発信し、その国と交流を図ること。
日本文化紹介行事への支援として、大使館、国際協力事業団(JICA)と協力して実施しました。
 
20221111_image08 グアテマラの現地校の様子が知りたいと思い、最初の3校は自分から頼んで訪問した。その後は、JICAの日本文化紹介行事への依頼につながり、小学校1校、中学校2校、大学2校は、依頼による訪問になった。自分らしい方法で日本文化を伝えたいという気持ちから、書道パフォーマンスを実施した。
 
20221111_image09 ショッピングモールでパフォーマンスを行ったときの様子です。各地で行ったパフォーマンスの様子が現地の新聞に大きく取り上げられました。
 
20221111_image10 現地の生地を使って作った浴衣を着てパフォーマンスを再現している様子です。
 
20221111_image11 どうしたら民族衣装ウイピルを着た姿をモデルにできるのか、タクシー運転手と交渉し、自宅へ押しかけました。おばあさんに絵のモデルになってもらいました。ドライバーの家族との交流は今も続いています。

ウイピル姿やグアテマラの自然を描いて今年10月に個展を開催しました。
 
20221111_image12 「いろいろな村や町を回りながら書道パフォーマンスをしていて、いつも気になっていたことがある。貧しいながらキラキラした目をした子どもたちを思う時、何かできることはないのだろうか。貧しくてクリスマスプレゼントがもらえないため、道行く人に手を振ってねだっていることが分かった。帰国間際の時期にできることはささやかだがこれしかないと思い、駄菓子屋へ行き幾種類かの菓子を100人分買い、小袋に詰めて彼らに配ることにした。国際理解を通して国際支援について考えさせられた。」

「定年直前からの座右の銘は、「ことを始めるのに遅すぎることはない。(スターリーボールドウィン〔英〕)」である。案ずるよりも産むが易し、チャンスは待つのではなく行動してつかむようにしていきたいとの思いから、日本人学校への派遣に応募し、グアテマラでの活動に取り組んできた。」

感想を紹介します

○治安の悪い所へよく行ったもんだと思いましたが、話を聞き、スケールの大きさにびっくりしました。書道、絵画の強みがあるのがよかったと思います。何より挑戦の意識が高く、挑戦を挑戦と思っていないのではと感じました。「自分の知らない事を知る。」ことを私も意識したいと思います。

○グアテマラの自然、気候、遺跡などを紹介していただいてありがとうございます。海もあれば、山もあり、高地で常春の国ということは知りませんでした。農村部へ行くと、マヤの人たちが住んでいて、民族衣装の鮮やかさに目を奪われました。今でもそこの人たちと交流があるというのは驚きでした。書道のパフォーマンスには、更に驚かされました。先日見せていただいた絵画と今回の話が結びつき、グアテマラの豊かな自然と色と人々の暮らしが浮かびました。

○グアテマラのことは何も知りませんでしたので勉強になりました。赤で決められている民族衣装がきれいでした。先生の書道パフォーマンスがすごかったです。

○グアテマラの特に地方の人々の暮らしに興味を持ちました。コーヒーがおいしいだけではないグアテマラへ「行きたい」レベルには治安のことを考えると達しませんが、もっと知りたい意欲は増しました。

○今日は旅した気持ちになるくらいすてきなお話でした。衣装も刺繍も間近で見せていただき貴重な時間でした。何事にもチャレンジする気持ちを忘れないようにしたいです。

○「冷暖自知」、当たり前のことと分かっているのですが、実際に行動に移されたことがすばらしいと思いました。ライブパフォーマンスを繰り返して、日本の文化を発信して交流する姿に感銘を受けました。日本でも海外でも、自分の文化を発信していこうと思いました。体験できるうちにいろいろ体験するために動きたいです。