8月28日(金)に第3回のおもしろ学校を行いました。
講師は岩倉市立南部中学校の江原靖人先生です。
社会でテーマは「宗教で見る日本の歴史」でした。

20200828_omoshiro01はじめに日本ではクリスマス(キリスト教)を祝い、除夜の鐘(仏教)をつき、初詣(神道)に行くというように生活の中にいろいろな宗教が混在している。なぜこんなことになっているのかを歴史を通して考えてみたいという話がありました。

20200828_omoshiro02仏教伝来から聖徳太子、聖武天皇、鑑真和上、末法思想、平等院鳳凰堂と歴史をたどっていくと、仏教と神道が交互に政治利用されてきた歴史が明らかになってきました。

20200828_omoshiro03その後鎌倉時代になり、禅宗、念仏宗などの仏教が盛んになり、室町時代には京都にたくさんの寺が建立されました。
戦国時代になってキリスト教が伝来します。信長、秀吉、家康ともにはじめはキリスト教を擁護し、利用するが、後には禁止しています。
それはなぜか?キリスト教は鉄砲とともに伝来し、天下統一とともに鉄砲はいらなくなった。そのときにキリスト教のある教義が統治のために邪魔になったのです。その教義とは「神の下の平等」です。身分制度を利用して統治しようとした為政者にとってこの教義が邪魔になり、キリスト教は迫害されることになりました。

20200828_omoshiro04江戸時代に神仏習合が進み、お伊勢参りなどが盛んになります。
明治時代になり、江戸時代の否定と天皇制による統治のため、廃仏毀釈が進みます。
そして、現代につながってきます。
今、世界を見てみると、至る所で宗教対立が起こっています。
エルサレムは3つの宗教の聖地であり、宗教対立のるつぼとなっています。

20200828_omoshiro05日本は宗教についてファジーであり、憲法20条には信教の自由がうたわれています。こんな時代だからこそ多文化共生社会を作り上げていかなくてはならないと思います。

感想を紹介します。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

●時代の流れの中で仏教と神道がどのように関わっているかがよくわかりました。日本人のDNAの中に相手のことを考えて生きることが備わっていることを教えていただきました。ご先祖様に感謝し、誇りを持って生きていこうと思います。

 

●どうして家の仏壇と神棚があるのかわかりました。友達とあなたの家は仏教?キリスト教?神道?と尋ね合い、家柄、ルーツなどが似ている、あ、一緒だと親近感がわいたりしていました。うちは仏教なんですが、神道やキリスト教のご家庭に少し壁があったり、でもそうじゃない!多文化共生社会を身近なところから始めたいなと思いました。

 

●私は宗教系(キリスト教)の私学の教員を10年ほど務めてきたので、今回のテーマはすごく関心がありました。日本では神道、仏教、キリスト教…などいろいろな文化を取り入れていますが、まさか飛鳥時代からファジィな状態になっていたというのは意外でした。しかも、神道と仏教が交代しているのがおもしろかったです。日本には八百万の神という言葉があります。この言葉は神道から来るものですが、仏教やキリスト教も一緒に考えてもよいのでしょうか?最後に宗教を通して日本人の良さ、多文化共生社会まで学べたのは驚きました。

 

●大変おもしろかったです!縄文時代から今に至るまでの歴史の中で宗教で見る日本の変化がこのように学べたこと、見方のあることがおもしろかったです。更にキリスト教が許されなくなった理由に「神の下の平等」の教えがあり、きっかけになったことは多くの人が知らないと思うので、皆に伝えたいと思います。子どもの頃に歴史を学んだときよりもやはり大人になった今の方が社会の関わりの中で活かせるので大人が歴史を学ぶ機会がありがたかったです!