9月11日(金)に第4回のおもしろ学校を行いました。
講師は中部大学の小笠原豊先生です。
総合でテーマは「失敗しない子育てのエッセンス」でした。

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小笠原先生から授業の要約をいただいていますので、それを載せます。

第1部子育ての基礎基本
【1】消しゴム探し(消しゴムを一緒に探してくれる親になりましょう)
・親の「言動一致」の姿勢は大事。
(例)「物を大事にしなさい」と子供に言うなら、親が本当に物を大事にする姿勢を見せること。
・「本当の優しさとは何か」を常に考える。
(例)子供が不自由や不便を味わうことを「かわいそうだから」と言って簡単に手助けしたり楽をさせない。

【2】大万引き事件
・子供は失敗して成長する。「子供が失敗したときの周りにいる大人の態度」が大事。
(例)子供が他の人に大きな迷惑をかけてしまった。「親としてどうすることがこの子の成長につながるのか」をしっかり考えること。「お前が悪いんだから自分で解決しろ!」では解決しない。成長につながらない。

・失敗を失敗で終わらせてはいけない。「失敗を成長の糧に」なるように。

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【3】言葉遣い(醜い言葉は醜い心、優しい言葉は優しい心をつくる)
・日本人は「言葉」を「言霊」と言ってきた言葉は「神様の不思議な力が宿っている」、とても尊いもの
・言葉とそれを受け取る相手を尊敬して「言葉を遣わす(つかわす)」 「派遣」の「遣」を使用する。「言葉使い」ではない。
・「言葉遣いをよくしましょう」とよく言うが、言葉遣いはなぜよくしなくてはいけないのか。それは 言葉=考え=心(気持ち) だから。
(例)優しい言葉は優しい心から発せられる、逆に優しい言葉が優しい心をつくる。

【4】阪神タイガース・赤星憲広選手に学ぶ
・刈谷市立刈谷南中学校卒業生現役時代、毎年、母校を訪問してくれた
・1億円プレヤー自分の靴、自分が使ったスリッパは「自分の手できちんとそろえる」。
・「日常のちょっとしたこと」が「人生を好転させていく」
(例)はきものをそろえる、元気な声であいさつをする、手を合わせてから食事をする・・・

【5】龍海院の山門のことば
・「他人と比べて何になる、比すべき相手は昨日の自分」
(例)私たち大人は、教師も親も、他の子どもと比較して叱咤激励する。発奮できる子はいいが、中には委縮してしまう子も。「本当に比べなくてはいけないのは、他人ではなく、昨日の自分」昨日のこの子と比較して、今日のこの子はどれだけ成長したのか、できるようになったのか。日々の成長を大事にし、それを認めてやりたい。

【6】最初で最後、母にこっぴどく叱られる
・中学生の時、自分の名札の苗字をコンパスの針でかっこよく(?)傷つける事件
・「自分の名前を汚したり、きちんと書けんものは、ろくな人間にならん! こんなふうにお前を育てた覚えはない」と激しく母に叱られる。
・「名前を丁寧に書く」は「文字を丁寧に書く」の源。文字を丁寧に書くことは「確かな学びのつながっていく」。

 

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【7】子供を褒める言葉、叱る言葉
・最高の「褒める言葉」=「さすがだね!」
これまでのあなたの言動の良い点をクローズアップさせ、それらをすべて肯定して、目の前のことを評価する。
・最高の「叱り言葉」=「〇〇(子供の名前)としたことが・・・」
これまでの頑張りなどをしっかり認めながら、やってしまった事を責め、ひどく残念がる。

【8】子供のころにやること
・「子供のころにやること」を馬鹿にしない・・・将来の自分、生き方、人生に直結している
(例)折り紙・・・紙をまっすぐに折る → 整理整頓の基礎の基礎 → 基本的な生活習慣の確立
連絡帳・・・明日の持ち物→何をやらなくてはいけないか→目標を決めて行動する→主体的に生きる基盤

【9】かんけり
・かんけりの鬼・・・孤独、惨めさ、絶望感、意欲、勇気、希望、達成感、安堵感、
・外で、みんなで、体をぶつけあっ集団遊びの大切さ・・・ て、大声出して、時間の限り遊ぶことが大事
学校生活や社会生活で役立つ大切なものを学ぶ。

【10】お手伝い
・はじめのうちは失敗もするし、時間もかかる、でも、毎日やれば、どんどんうまくなる。
・「社会の一員として働く基礎」がここにある
・「自分でやった方がはやい!」なんて決して思わないこと

【11】イスラエルの子供たち
・イスラエル=ユダヤ人の国
・ユダヤ教の原典を叩き込まれる
・ユダヤ教の教え「人と異なれ、全てを疑ってかかれ」だから子供でもすぐに「なぜ、どうして」と考える
・ノーベル賞獲得者の20%がユダヤ人
・子供たちの「なぜ、何で」を大切にして誠実に応える 「いいことに気づいたね」考える力の源がここにある

第2部 脳の発達のお話し (文教大学教授・成田奈緒子先生 小児科医、発達脳科学者)
・人間の脳は、8歳までにほぼ大人の大きさになる きわめて重要な時期
・お利口さん脳(大脳皮質)=考える、記憶する、アイデアを出す、判断する、応用する=6~14歳に発達
・からだの脳(脳幹)=寝る、起きる、食べる、体を動かす=0~6歳に発達
・こころの脳(前頭葉)=感情、喜怒哀楽=6歳くらいから発達し10~18歳でピーク
・「脳育て」には順番がある、まず「からだの脳」ぐっすり寝て、きちんと食べて、しっかり遊ぶ
・「からだの脳」を育てるために・・・「早寝早起き」が大事、親は心を鬼にしてこれを頑張る

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第3部小学生とその保護者が頑張ること

【小学生の子供たちが頑張ること】
① 元気な挨拶、元気な返事
② 早寝、早起き、自分で起きる
③ 自分のことは自分でする
④ 家では、毎日、自分の机などで30分間座ること 何をやるかは自分で決める
⑤ 自然の中で友達と一緒になって思いっきり遊ぶ(自然体験)
⑥ 本を読む時間をちゃんととる(絵本、図鑑、物語、伝記)

〇たくさんの本をいっぱい読む、みんなで感想を言い合う
自然体験と読書で育まれる能力
・健康で安全な生活をつくりだす力
・粘り強く取り組む力
・感動する心と表現力
・人と関わる力
・数や形、大きさへの興味関
・動物や植物を大切にする心
・社会性
・語彙力

【小学生の保護者が頑張ること】
① 毎朝、笑顔で送り出す
② あーしろ、こーしろと言わない
③ 子供たちは子供たちなりにすごいストレスをかかえていることを理解する
④ 毎日ちょっとだけ勉強を見てやる
⑤ 先生の悪口を言わない
⑥ 結果が良くても努力を褒める__

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感想を紹介します。

○「さすがだね」私も言われたら超うれしいです。自分がうれしい言葉を子どもにも声かけしたいです。私は母に大切に育ててもらったなあと感謝の気持ちです。同時に子どもにステキに育ってもらいたいからがんばろうと思いました。いや、一緒に育つかな。子どもに早く会いたくなりました。

○おもしろくない部分が1秒もありませんでした。私はまだ子どもがおりませんが、これから子どもを授かり育てるのが楽しみになりました。私は普段から思春期の多感なお子さんと接する機会があり、実践できていることもありましたが、ハッとさせられることもありました。明日からと言わず本日より参考にさせていただきます。

○私の子どもはもう20歳も過ぎ大きくなってしまいましたが、いくつになっても親は親、子は子で関係性は変わりません。年齢に応じて様々な状況におかれ対応していかなくてはなりません。今日学んだことを応用しお互いが成長できる言葉かけをしていこうと思いました。日本特有の「霊」言葉の持つ力はものすごいエネルギーを持ち、不思議な力で相手や自分に影響を与えるんだなあと感じました。まだまだ遅くないと思います。これから心がけていきたいと思います。ことばの力すばらしいです。

○本当のやさしさ、ことばの大切さ。言葉遣いの大切さ=言葉は心だから、とても印象的。一体となっているということ、しっくり心に残りました。履き物をそろえる、自分の名前をちゃんと書く、幼い頃から母親に言われてきたことも蘇ってきました。