12月8日(金)に令和4年度の第7回のおもしろ学校を行いました。
講師は、名古屋芸術大学の土井謙次先生です。
社会で、テーマは「愛知出身の二人の首相から考える 平和、そして今」でした。
まず近くの人と自己紹介しました。そして、最初の質問は、「2022年国内・海外の重大ニュースNO.1は?」でした。
近くの人と話し合いましたが、国内も海外もほとんどの人が一致した意見でした。
国内…安倍晋三元首相銃撃事件
「これまでに暗殺された首相は7人、現役で亡くなった首相は3人います。」
海外…ロシアのウクライナ侵攻
ロシアのウクライナ侵攻にからんで「愛知出身の二人の首相から考える 平和、そして今」をテーマにして授業を行います。
「1991年1月17日、湾岸戦争の空爆開始の時の首相が海部首相でした。アメリカから期待されていた自衛隊派遣は法案が成立しなかったため実現しませんでした。1兆2千億円の資金援助をしましたが、クウェートの新聞では感謝されませんでした。なぜ1兆2千億円もの資金援助をしたのに感謝されなかったのでしょうか?」
「日本の湾岸戦争における拠出金の87%はアメリカ、3.3%はイギリス、………クウェートにはわずかに0.05%でした。これでは感謝されないはずです。」
「人的貢献の大切さを認識した海部首相は、湾岸戦争の停戦後、ペルシャ湾の機雷除去のため、海上自衛隊の掃海艇を派遣し、自衛隊の海外派遣に道を開きました。海部元首相は、今年の1月に91歳で亡くなりました。」
「愛知出身の一人目の首相は、加藤高明です。」
愛西市の先生に聞いてみると「例のことで人気がないのですよ。」
………「なんで?なんで?」
日本人列伝というサイトによると、「1番は織田信長で140点、2番は大久保利通で130点でした。
加藤高明は何点でしょう?」
「20点。」………「なんで?なんで?」
Quoraという質問に答えるサイトによると、「管首相、そんなに悪かったですか?」という質問に対して「……安倍政権や管政権より、加藤高明政権や東条英機政権が最低最悪だと思う……」………「なんで?なんで?」
YAHOOの知恵袋によると、「歴代総理の三大悪人は?」という質問に対して「東条英機、加藤高明、近藤文麿」………「なんで?なんで?」
「なんでこんなに評判が悪いの?」「なんで?なんで?」「ものすごく調べてみたくなりました。」
小学校の副読本「あたらしい愛西市」には、「…41歳で衆議院議員に当選し、外務大臣を4回経験しました。65歳の時に内閣総理大臣になり、普通選挙法を成立させました。…」と書かれています。
「愛西市へ加藤高明について調べに行ってきました。郷土資料室や図書館へ行って来ましたが、加藤高明のコーナーはそれほど広くありませんでした。生誕地にも行きましたが、生誕地という碑も立っていませんでした。」
「対華21カ条要求については、中国を日本の支配下に置こうという帝国主義日本の露骨な政策でした。これに対して中国人民は激しく反対運動を起こした。と社会科の授業で教えた気がします。」
「NHKのホームページによると、治安維持法によって逮捕された人は、数10万人。1000人以上が、拷問や虐殺・病気などて命を落とした。と書かれています。」
「あめとむちをやり過ぎだ。」
「なぜあんな法律を作ったんだ。」
第1号(第1条~4条)は、第1次世界大戦で連合国を助けたため、英仏に認めてもらったことを中国に通知した内容です。第2号~4号(第5条~14条)は、孫文が提案してきた内容でした。7つの希望条項は取引の材料で、取り下げてもよいと考えていたものでした。」
「袁世凱は、自分の立場を守るため、内容はこれでいいから最後通牒という形にしてほしいと言ってきました。最後通牒とは、言うことを聞かないと武力を使うよということです。日本としては、下関条約やポーツマス条約の内容を守ってほしいと言いたかっただけなのに、袁世凱にうまく利用されてしまいました。」
「ロシア革命後に成立したソ連と国交を結びたいのですが共産主義思想が日本に入り込むことは避けなくてはなりません。そのため共産主義を取り締まる法律が必要となりました。そこで加藤高明は考えました。これまでも治安警察法等の似た法律はあった。清浦内閣もすでに考えていた。欧米諸国も同じような法律を作っている。しかし、思想・言論の自由は大切にしていこう。」
「治安維持法は、1925年4月22日に制定されました。加藤高明が亡くなってから、最高刑が死刑となり、官憲が認めれば検挙可能になっています。これはひどいです。」
「加藤高明に責任ありますか?これまでの内閣が作ろうとしものを、諸外国も作っていたものを整理しただけです。」
1 リットン調査団の満州侵略認定でも国際連盟脱退は回避する。
2 米国の圧力に屈せず、日英同盟を廃棄せず維持する。
3 南進は控え、北方だけにする。 4 真珠湾奇襲攻撃中止。 5 その他
「アメリカは、地政学的にいって英国と日本に挟まれていて、手を組まれることがいやだったんです。英国と太いパイプのある加藤高明だったら、軍部も押さえることかできて、日英同盟も維持できていたかもしれません。」
「相手の狙いにもう少し気づけるとよかった。」
「パワーバランスを考えながらもう少し上手に外交をするとよかった。」
「日本人は人がよくてはめられていた。」
「日本人は、人のことを信じすぎてしまう。」
「日本人の人の良さがにじみ出ていたが、もう少し中身をしっかり知らないといけない。」
治安維持法は悪法だというのは間違いがないが、治安維持法を作ったから加藤高明が悪人だというのは間違いです。
② プロパガンダ(情報戦)に敗北。
「武士道」で、ウソは恥の文化とされました。
③ 内を固めるために外に敵をつくる。
袁世凱は、外に日本という敵をつくった。
「東京裁判には問題がありました。法律を破って初めて犯罪になります。戦争は犯罪ではありません。事後法といって、平和に関する罪とか、人権に関する罪などをつくって裁判をしました。本当に国際法違反をしていたのはアメリカです。アメリカの罪(空襲・原爆)を隠すために日本の罪をでっち上げています。サンフランシスコ講和条約の第11条に、極東軍事裁判の内容を認めなさいという内容があります。これに吉田茂はサインをして認めてしまいました。極東軍事裁判では、21カ条という言葉が使われていたので、本来は14カ条なのに教科書に21カ条と書かれています。地政学的にアメリカは日本を防波堤として利用しようとしています。また、法学者も積極的に支持したため学会に定着してしまいました。これらのことから、21カ条の要求は、日本の帝国主義政策だとレッテルが貼られて決定してしまいます。」
本日のまとめです。
「加藤高明が人気がない理由は何かな?」
「自己反省です。社会科教師時代ウソを教えていました。21カ条は日本の帝国主義だ。治安維持法を作った加藤高明はだめだと思っていました。しかし、こうして調べてみると、やっぱり教育者がもっと勉強しないといけないなということを痛感したのが今回の授業でした。本当に申し訳ないなと思っています。」
感想を紹介します。
○加藤高明という名前自体よく知らなかったのですが、先生の話を聞き、伝えられる真実が本当なのか?を考える機会になったと思います。事実を知ろうという気持ちが大事で、それに導く人も大事であると感じました。
○人は失敗するものだということを学びました。後から「もっとうまくやれた」ということは易いと思いますが、自分があの時代に生きていたら、はたして回避できたかどうか、きっと同じか、それ以上の失敗をしていたのではないかと思います。
○近い未来に日本の正しい歴史が学べる日が来ることを願っています。私も本日をきっかけに興味を持って学びたいと思いました。
○学校で学んだことが真実と違うということを知ることができてとてもよかった。最近は今までの常識や今までの報道が間違いだったということが少しずつ出てきている気がします。マスコミ、ニュース、また教育だけに惑わされず、自分の目で真実を知るということが大切だと改めて感じました。
○今日は授業の中で、先生が調べてくださった事実を教えてくださり、やはり「調べてみる」「ホント?ホント?」と「なぜ?なぜ?」と歴史にかかわらずみていくことが大切だと思いました。また、加藤高明については全く知らない人でしたが、同じ愛知の方だったので、知ることができてうれしかったです。今日の授業の内容が、子どもたちの授業の内容になっていくことを願っています。私たち日本人が、この日本を豊かにこの先へとつなげていく為に、先生のような方が増えることを望みます。
○知らない日本の過去を学ぶ機会をいただきありがとうございました。日本人はもう少し歴史を学ぶ必要があると思いました。世界の状況が大変な時代です。正しい判断力が必要だと思います。